管理栄養士をしております(^-^)
透析を受けている方にとって、食事はとーっても気を遣うことですよね。
栄養計算をして毎食自炊するのは、本当に苦労されることと思います。
最近は外食や加工食品の栄養成分表示も増えてきたとはいえ、普通にスーパーやコンビニに置いてあるものでは、取り入れられない場合も多いと思います。
そんなとき、透析患者さん向けに考えられた、宅配の食事を活用してみるのもいいですよ。
最近は、本当に便利なサービスが増えてきたので、ちょっとゆっくりしたいとき、このサービスをしっているだけでも、気持ちが楽になるかと思います。
目次
透析中の食事で気を付ける、ポイント5つ
①エネルギーをしっかり摂る。
体重1kgあたり30~35kcalが目安です。
摂取エネルギーが不足すると、身体に蓄えられているたんぱく質や脂肪が消費されてしまいます。すると、筋力が減り、疲れやすくなったり、無気力になったりします。
また、たんぱく質がエネルギーに変換される際には、尿素窒素などの毒素が発生します。排泄が自力で上手くできない透析患者さんにとって、この毒素は命取り。それに、せっかくたんぱく質の制限をしていても、これではその意味がなくなってしまいます。
★エネルギー量を増やすための工夫はこちら
・主食をしっかり食べる
・砂糖もしくは粉飴を使う
・調理は油を使う、炒め物、焼き物、揚げ物を多めにする
・ドレッシングやマヨネーズ、バターを使う
・デンプンの多い、春雨や片栗粉、コーンスターチなどを使う(春雨炒め、唐揚げなど)
・魚や肉は、脂肪の多い素材を選ぶようにする(たらよりサバ、赤身肉よりばら肉、など)
②良質なたんぱく質を適量摂る
体重1kgあたり、
・週3回の透析の方で1.0~1.2g
・週2回の透析の方で1.0g
が目安です。
1食で1日分を摂ってしまうよりも、3食にバランスよく分けて食べることが、身体に負担が少なくて済みます。不足すると、筋力の減少、低栄養などを引き起こすので、減らしすぎにも注意しましょう。物足りなく感じる時は、炒飯やピラフ、ちらし寿司のように、主食に混ぜて調理すると満足感が得られます。
③塩分・水分を摂りすぎない
塩分は6g未満、水分は1,000ml以下(※個人差あり)が目安です。尿が出にくくなっているため、水分を摂りすぎると、体重増加やむくみ、血圧上昇などはじめとしたトラブルを引き起こします。
塩は、水を引き寄せるため、塩分の摂りすぎは、尿をさらに出にくくします。また、喉の渇きを感じやすくなり、水分を欲して、水分量が増えてしまう…という悪循環に陥ります。
★減塩するための工夫はこちら
・調味料は、「かける」より、「つける」
・香辛料や酸味などを活用する
・汁物や煮物は出汁をきかせる
・加工食品、漬け物を控える
★水分の摂りすぎを防ぐ工夫はこちら
・温かいものを少しずつ飲むようにする
・コップは小さいものにする
・汁物は具沢山にする
・めん類や煮物のような、水分多い料理を少なくする
④カリウムを摂りすぎない
調理前の量で計算した際に、2,000mg以下になるよう抑えましょう。
カリウムの過剰摂取は、手足・唇のしびれ、だるさ、不整脈などを引き起こし、最悪の場合は心臓が止まってしまう原因にもなります。
★カリウムを減らす工夫はこちら
・生野菜を控える
・野菜は茹でこぼしたり、水にさらしたりしてから調理する
・芋類、豆類、海藻類を摂りすぎない
⑤リンを摂りすぎない
900mg以下になるようにしましょう。たんぱく質の摂取量が多くなると、リンの摂取量も比例して増えやすいため、リンを気にしてたんぱく質を減らしてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、②の通り、たんぱく質を適量摂ることは重要です。たんぱく源の中でも、リンの多少に差がありますので、リンの少ないものを選びましょう。
こちらのサイトが参考になります。
http://www.holonicsystem.com/nutrition/t-tayori/201702.html
《参考:
・http://www.toride-medical.or.jp/department/eiyou/203-touseki/604-2017-02-13-05-30-10.html
・https://www.shoyohkai.or.jp/touseki/glossary/eiyo/》
透析患者さん向け、宅配食紹介
前述の通りのポイントを満たしながら、自力で食事の管理を続けるのは、なかなか大変なもの。
宅配食を1日1食でも活用すると、用意するストレスが減らせるかもしれません。
3社紹介させて頂きます。
1食あたりメイン1品、副菜3品のおかずのみで
・エネルギー 300kcal
・たんぱく質 20g
・カリウム 650mg以下
・リン 300mg以下
・食塩相当量 2.0g以下
の内容。
初回の送料が無料でお試しできるようです。
ウェルネスダイニングの人気の訳
・毎日飽きずに続けられる多彩なメニュー
(家庭では作るのが難しい制限食にバリエーションを持たせられるように工夫されている)
・冷凍でまとめて届く
(毎日の面倒な受け取りの必要がない。)
・長期保存が可能で、急な外出予定が入っても、 食事が無駄にならない。
【メディカルズ本舗】
1食あたりメイン1品、副菜3品のおかずのみで
・エネルギー 300kcal
・たんぱく質 16g以下
・カリウム 700mg以下
・リン 240mg以下
・食塩相当量 2.0g以下
の内容。
手作りで受注製造してくれるので、家庭的な暖かさを感じられそうです。
《公式HPhttps://e-medicals.jp/products/list.php?category_id=7》
【メディカル・クック宅食便】
1食あたりメイン1品、副菜3品のおかずのみで
・エネルギー 300kcal
・たんぱく質 20g
・カリウム 650mg以下
・リン 300mg以下
・食塩相当量 2.0g以下
の内容。
粉飴やマクトンパウダーを使用することで、揚げ物や炒め物ばかりに偏らないよう、工夫をされているようです。
《公式HPhttps://www.medical-cook.co.jp/index.htm#touseki》
この他、地域密着型の会社で宅配食を実施している場合があります。
かかりつけの医療機関でも訪ねてみてください。
その他のサービス
①塩分を控えたい方、減塩食に物足りなさを感じてしまった方に、美味しさ引き立つ塩分制限食【まごころケア食】
まとめ
食事に神経質になってしまうと、食べることを苦痛に感じ、食欲減退から、体力や気分の落ちこみにも繋がります。
プロの力を借りて、食べることを楽しみましょう♪
また、宅配食を利用すると、自分で用意する食事の量や味付けの加減の参考にもなるので、透析食を初めてスタートする際には特におススメです。
検討してみてくださいね!